2020年11月15日(日)13:30~16:05
豊田市石野交流館
目的/ねらい
テーマ「コロナ禍の豊森的受け止め方~不安をこえて」
1)社会や個人の不安感を客観視し、共有し、その解決策を検討する。
2)問題を個人の問題とせず、協働の関係性の中で自分が生きていることや、解決できる かもしないことに気付く。
3)ゆるし、結、共同体、関係性の感覚を持つ。
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2日目 |
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13:30~13:38 あいさつ 13:38~13:50 旭地区伊熊自治区取材映像 元自治区長松井さん/卒塾生榊原さん
13:50~14:00 レクチャー「コロナ前後~コロナ後の青写真は描けるのか~」 講師:駒宮博男
14:00~14:50 トークセッション「コロナがあぶりだした社会の矛盾」 澁澤×駒宮×大洞×鈴木
15:10~15:50 グループトーク 16:05 終了
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会場参加18名/オンライン参加6名
紅葉シーズンに行った第4回豊森サロン。新型コロナウィルス感染拡大とともに、香嵐渓の渋滞にも配慮しつつの開催となりました。
今回は基本的に卒塾生の皆さんには会場参加していただく予定でしたが、
ご要望の声が多かったので、オンライン参加も自由にしていただく形式をとりました。
3密回避の会場設営

今回も合同会社浅野エンタープライズの浅野陽介さん(第4期生)に
オンライン配信とスイッチングをお願いしました。
今回のテーマは「コロナ禍の豊森的受け止め方~不安をこえて」。
最初に、中川から参加申込アンケート結果の共有をしました。
一部をご紹介。
Q:いま不安に感じていることは?
回答は「民主主義」「自治」などが多く、豊森卒塾生ならではの結果かもしれません。
前回はデータ容量の関係で当日にうまく上映できなかった、取材映像。
今回は編集も間に合いましたよ(汗!
旭地区伊熊自治区で多業な暮らしをしている第4期卒塾生の榊原礼美(さかきばらあやみ)さんと、榊原さんが地域に居を構える際にご尽力くださり、豊森のフィールドワークでもお世話になった当時の自治区長・松井良幸さんにお話を伺ってきました。

農業をしながら、地域のみなさんから頼りにされ、気負わずに仕事を引き受け暮らしをたてている榊原さんは、これからの夢も生き生きと語ってくれました。
徐々に少子高齢化が進み、限界集落になっていく地域の姿と、豊森への期待、そして移住者と地域の仲人役の重要性を語ってくださった松井さん。貴重なお話をありがとうございました!
榊原さんと一緒に伊熊で週末農業と、お世話になった地域への関わりを続ける4期の鈴木さんと石戸谷さんにも、会場でお話をお伺いしました。伊熊に通って5年以上になる鈴木さんは「関わった大切な人たちのために何ができるか考え、手を動かすことが大事だと思っている」と話し、石戸谷さんは、「昆虫や動物が好きだから通い始めたが、獣害や食害に遭う現実がある。」「松井さんの想いを改めて聴いたことで、続けなきゃな(笑)」と感想を聞かせてくれました。
次に、駒宮先生のレクチャー「コロナ前後~コロナ後の青写真は描けるのか~」
・コロナで世界中の大気汚染が改善している
・コロナで何が判明したか
・経済回復とは何をさすのか→元に戻ることでは断じてない!
世界を見渡しても、新たな社会の青写真を明確に描けている人は誰もいない。2項対立ではない、もっと大きな視点で見た多様性を認める世の中にしていくためには? *添付のPPT参照
駒宮先生のお話を受けて、大洞さん×澁澤先生×駒宮先生×鈴木センター長、そして参加の卒塾生との質疑応答を交えてトークセッションを行いました。
大洞さんはトヨタ自動車(株)について「東京五輪対策として、東京勤務者は100%在宅勤務に向けたIT環境は整備済みだった」とし、世界のトヨタの危機管理対策を話され、また、慶応大学の前野隆司教授の研究を例に、幸福が何によって構成されるかという因子分析について紹介。
1.やってみようという自己実現と成長の因子
2.つながりと感謝の因子
3.なんとかなると考える前向きと楽観の因子
4.独立と自分らしさの因子
以上4つを満たすことができるか。
また、これらを目指して働き方改革をしていくのか、効率や外的要因に迫られて働くのか、コロナ禍で何を学ぶか、で企業は成長、個人は幸せの度合いが変わるのではと提言されました。
むむ~んと考える参加者のみなさん(そしてスタッフ)。

おいでん・さんそんセンターの鈴木センター長は、旭地区敷島自治区がこのたび全国過疎地域自立活性化優良事例表彰で最高賞の総務大臣賞を受賞したことを報告。自治区で定めた「しきしま・ときめきプラン」で10年で移住20世帯を目標としたところ、倍の40世帯98人がIターン&Uターンで移住し、小学校も2年後にはほぼ倍増すると推計されており、こども園も増設の動きがでている奇跡の実績(いえ、地道な活動の成果です)について語り、その流れに豊森なりわい塾や卒塾生、関係者が少なからず関わっていると実感をもって話しました。
また、伊熊の取材に関して「伊熊のように新しい考え方の人が地域に入ってきて、地域との化学反応で動き出しスモールビジネスが生まれ、地域に活気が沸いていく好循環が起きていくといい」と触れ、今後のおいでん・さんそんセンターと地域、そして豊森との関係性について方向性を示しました。

渋澤先生は世田谷区の教育委員や、大学で講師を務めていることから、オンライン化が進む教育現場について報告。オンラインで伝わること/伝わらないこと、両方が教育だったのが、オンライン化で言語化できる情報しか伝えられなくなったことに危機感を感じると話しました。また、自分達世代はスマホ世代の大学生とコミュニケーションギャップを感じているが、大学生はそれより下の、生まれた時からスマホやタブレットやSNSでのコミュニケーションが当たり前にある小中高生との間にギャップを感じている、という話に、会場からは驚きとも落胆ともいえないような反応がありました。
「地域内経済はコミュニケーション。地域ごとにコミュニケーションも大事にしていることも違う。地域内で利益相反するもの同士が、おとしどころを決めていくのが重要。」「何のために働くか、を考える時代。生き方を自分で考える時代なのだ」としめくくりました。

塾生からも「渋澤先生のお話から、対面の必要性を感じるが、コロナ禍で人とのかかわりが希薄な環境のこども達の人間形成はどのようにしていったらいいのか」という不安の声や、「自治には"そこで生きる覚悟"が必要だと思う。企業の中でも、新しい組織の在り方や働き方を、自分自身で考えていく必要がある」といった意見が聞かれました。
そのあとは参加者は別室に移動し、3つのグループにわかれてワールドカフェ形式のグループトークを2ターン。各グループの代表がテーブルで話し合ったことを発表しました。
各グループの所感として「コロナ後も人の価値観は変わらないかも。人間はすっかり自分が動物であることを忘れ、お金やなんかの中で生きていくものと勘違いしている。」「国の根幹の食料自給率が50%を切っているのに、飲食や旅行に税金が投入されることに疑問を感じないのか」「Basic Incomeでお金より土地を配布してみるのはどうか」「教育の変革の必要性が議論になったが、生徒も教師もその矛盾の中できている。批判がダメとはいわないが、ぜひ応援団として教育に寄り添ってはどうか」など発表がありました。
終わりに、駒宮先生からは「コロナで人間社会のアブナイ部分があぶりだされてきた。それをよくよく吟味すること。GLOBALからLOCALへの流れは間違いない。これまで少数派だった豊森的価値観が広がるかもしれない。それをどう育成していくかだ。次回の第5回豊森サロンはゲスト講師をお招きし、一般公開講座として開催する。今後の豊森の在り方とともに、考えていきたい。」としめくくりました。
次回、第5期豊森サロンは1月31日(日)13時30分よりオンラインにてゲストとして坂根シルックさんをお招きし、「豊森なりわい塾 一般公開講座」とします。是非、ご家族ご友人・知人をお誘いあわせの上、ご参加くださいませ!
事務局 松本
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