講座報告
2015年10月17日(土)10:00~16:00/2015年10月18日(日)9:00~16:30
豊田市生涯学習センター・旭交流館
目的/ねらい
1)コミュニティという生存基盤と、それを維持するための「つとめ」について理解する
2)経済成長によって暮らしと稼ぎが分断され、コミュニティとつとめの意義がどのように変容したのかを知る
3)(3). コミュニティに属し、「つとめ」を担いながら生きる若者の事例に学ぶ
4)コミュニティ最大のイベントである祭りを見学し、暮らしの中の祈りや祭りの変容から、コミュニティの変容を推察する。その上で、今後のコミュニティのあり方、都市と農山村の関係のあり方を考えるための視点を提供する
   1日目  2日目
午前 レクチャー「豊森なりわい塾後半を展望する/地域主義の全体構造」 フィールドワーク「八幡神社例祭見学」
午後 レクチャー「祈り、祭りと宗教」
事例紹介「コミュニティとくらし・つとめ・かせぎ」
レクチャー「集落の暮らしと祈り・祭り」
映画鑑賞「下園の十五夜」

資料 地域主義の全体構造(駒宮博男).pdf 祈りと祭り、宗教(駒宮博男).pdf
集落の暮らしと祈り・祭り(澁澤寿一).pdf
1日目:30名(ゲスト:戸田友介さん)/2日目:32名

10月17日・18日、第6回講座「地域コミュニティとつとめ」を行いました。


5月から8月までの講座は、「あるくみるきく」や「聞き書き」など、
「(これまでの)地域に学ぶ」ことを目的として講座を作ってきました。
そして、9月の講座は「これまでの学び」と「これまでの自分」を振り返る時間でした。
10月以降の講座は、「地域をよりよく知ること」や「これからの地域」について学んでゆきながら、
塾生一人ひとりが自分自身のことに引き寄せて、
何らかの気づきや学びが生まれるような場を作っていきたいと考えています。



●レクチャー「豊森なりわい塾後半を展望する/地域主義の全体構造」(駒宮博男)


まずは午前中まるまる使って、豊森講師の駒宮が後半の趣旨説明を含め、
「地域」に関する多岐に渡るレクチャーを行いました。

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・後半の趣旨説明 ?なぜ「地域」を単位に講座を組み立てるか?
・そもそも「地域」とは何か ?地域を規定する様々な要因について?
・自治の適正規模について
・人口減少をどう考えるか ?人口デザインの必要性?
・地域の経済産業特性
・自治体財政について ?税の流れを考える?
・消費から考える地域経済
・市町村合併と補完性の原則
・地域の「公益事業」の推移(「つとめ」の行政サービス化)
・新たな働き方「多業」の私案


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●事例紹介「地域コミュニティとくらし・つとめ・かせぎ」


地域コミュニティの中で生活し、「つとめ」を果たしながら生きるIターン・若者の事例に学ぶために、
?M-easy代表取締役の戸田友介さんをゲストにお招きして、いろいろお話を伺いました。

戸田さんは「日本再発信!若者よ田舎を目指そうプロジェクト」という、
若者10名を集め、有機農業で生計を立てながら同時に集落に住み、
コミュニティの一員として「つとめ」を果たすという事業の運営のため、4年前に旭地区に移住。
また、このプロジェクトをきっかけに「農産物の生産・販売」から「暮らしの価値化」に事業を転換され、
現在は地域でいろいろな役割を果たしつつ、地域の未来とご自身の人生を重ね、
新時代の働き方、生き方の模索をされています。


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豊森なりわい塾には毎年なんらかの形でお呼びしていますが、年々変化されている戸田さん。
その生き方と哲学、塾生にかなりのインパクトを与えてくださいました。





●レクチャー「祭りと祈り、宗教」(駒宮博男)


二日目に地域最大のイベントである「お祭り」の見学をさせていただくので、
お祭りに行く前に、豊森講師の駒宮が「祭り」と「宗教」の関係についてレクチャーを行いました。
・日本人の宗教観、他界観、精神世界観
・世界の人々の宗教観と、日本人の宗教観のギャップ
・宗教の哲学的本質?井筒俊彦、平山朝治?
・祈りと現代人?自然から離れてしまった現代人?
・近代による世界観の破壊?モラルをどこに求めるか?
・祈りは捨てていいのか?/祭りの変容

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フィールドワーク「八幡神社例祭見学」


18日、旭八幡町にある「八幡神社」のお祭りの日です。 築羽9集落全てが氏子になっている、この地区で一番大きなお宮のお祭りを
文字通り体感させていただきました。
築羽地区の皆様、本当にありがとうございます。
また、築羽に通っている豊森OBたちの姿も見ることができました。


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●レクチャー「集落の暮らしと祈り・祭り」(澁澤寿一)


塾長の澁澤が、日本人のかつての世界観がどんなものであったか、
文字通り「生きるための」日々の暮らしの中から生まれる祈り、そして祭りの姿がどのようなものだったか、
レクチャーを行いました。


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・祈りとは何か?感謝と願い事?
・集落の暮らしと祈り・祭り?生きるための作法の変容?
・「下園の十五夜」の世界観


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●塾生の感想


・聞き書きで、「昔は祭りがもっと賑やかで。もっと皆が協力していた」という話を聞いたのを思い出した。 いまのお祭りは1日のイベントになっているという話は、確かにそう。 自分の地区でも、練習はするが1日で終わってしまう感じ。 若者が中心という本来の姿が無くなるのは、価値観など次の世代につないでいかないといけないことかなと思った。

・私の住んでいるところでも毎週のように各地域で祭りがある。田舎ってなんで祭り好きなのかと思っていた。 今日澁澤さんの話を聞いたり農業に近い事をさせてもらったりしているうちに、みんなで労をねぎらったり、自然のなかで生きている。地域の人たちは自然にそういうことをしているんだなと客観的に感じた。若い人いなくてもなんとか頑張ってやっているよと言っていた。自分達が地域で暮してきたことを確かめあう事なのかなと感じた。


・自然と共に生きていくためには、お祭りの一体感のほうが準備にかかる手間や効率よりも重要だったんだろうと思った。どこかの民族で雨ごいをするのに儀式をやるが、その儀式で雨が降るとはみんな思っていなくて、その危機感をみんなで共有することが目的という話を聞いたことがある。どこまで合理化、効率化してどこまで手をかけるかの按配を考えないといけないと思った。

・昨日の戸田さんはインパクトがあった。「くらしつとめかせぎ」は同一の円から生まれるのが本当の形だったが、それだと表現しにくいので、豊森では分けて言っているのかなと思った。戸田さんは全部一緒に回しているのがすごい。今日のお祭りは、周り太鼓とかも共同作業で、そういうのが文化なのかなと思った。それが残るといいなと思った。また、女性陣の飛び込む人間力には敬服した。

・頭では自分が自然の一部だと理解しているが、体感として実感がない。本当にその感覚があるのか分からなくなった。一回農業とかやってみるのもいいかもと思った。 戸田さんは自然体でインパクトがあったが、印象に残ったのは「とくにやりたい事は無い」ということば。「これやるぞ」という爆発的な先導力がなくても、自然体の形であれだけいろいろできるんだなと。そういうあり方もありなんだと思った。

・駒宮さんの話では、地域主義ということがいかに大切かということがよく分かった。共同体とそのための祭だったり、すごく勉強になった。日本人としてその枠からは外れることはできないのかなと思った。小さなコミュニティーで自然と共に生きていく受け継がれたDNAから外れ、身体性を失っているのが都市の現状なのかなと。 経済を中心に考えた時に、合理化とか考えざるを得ない。しかし、地域で人間生きて行くために必要なのが祭りだったとか感謝だったりするのかなと思った。それは忘れてはいけないし伝えることが大切。お祭りについても今までの歴史と思いとかを学んで伝えていかないといけないと思った。個人主義では解決できない問題があって、そういうものを地域主義とかで考えていけかないと思った。



次回は11月14日、15日。テーマは「地域コミュニティと公益事業」を予定しています。



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