講座報告
2015年7月18日(土)10:00~17:00/2015年7月19日(日)9:30~17:00
1日目:豊田市崇化館交流館/2日目:築羽農村環境改善センター築羽会館
目的/ねらい
農ある暮らし(生きるための食と農)について知る。
その背景として日本の食と農業の現状について知る。
   1日目  2日目
午前 ・プロローグ 
  農や食に関わっている塾生から話題提供
・フィールドワーク 「農家や農園を訪ねる」
午後 ・ゲストレクチャ 「日本の食と農の現状」 篠原信さん 
・篠原さんへの質疑応答
・レクチャ 「食と農について」 駒宮さん
・グループワーク 「フィールドワークのまとめ」
・グループワーク発表
・レクチャ「農の世界/生きるということ」 澁澤さん

資料 農と農業.pdf
1日目:40名/2日目:39名

7月講座のテーマは「食と農」

"日本の農家の5割以上を占める中山間地の零細農家の
おじいちゃんは、赤字とわかっていてコメを作り続け
ている。おばあちゃんも買った方が安くて楽な野菜を
暑い時期に黙々と草を取りながら育てている。
生産と消費の分離が進み、作ることより買うことが
圧倒的大多数となった時代に、彼らは儲からない農を
何故やってきたか、何を大切にしているのかを知り、
これからの農や地域のあり方について考える。"

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ということで、どちらかというと、
ビジネスや政策としての農業という捉え方ではなく、
暮らしの中の農、生きるための農に焦点を当てて考えてみました。

●塾生からの話題提供
五期塾生は農や食にすでに関わっている、
あるいは、関心がある人が半数以上おります。
そんな塾生から話題提供してもらうと
面白い話しが聞けるんじゃないかと、
まず4人の塾生からの話題提供による
トークセッションが講座のプロローグです。

パーマカルチャを1年間習ってきたIさん。
食に関するプロデュースの仕事をしてきたNwさん。
EMを使った自然農をやっているNzさん。
4年前に移住し、田んぼ30a、
畑を10aをやっているKさん。
これだけでもみんな濃い?方ばかりです!

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話題は多岐に渡り、
Kさんの平日勤めながら広い田畑をやっていくことの大変さ、
マムシを食べるか食べないか、
就農者になるには、というまじめな話し、
美味しさの感じ方、
・・・などなど印象深い話しが沢山聞けました。

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●レクチャ 「日本の食と農の現状」 篠原信さん
  昨年につづき今年も篠原信さんにレクチャして頂きました。
  篠原さんは、三重県にある独立行政法人 農業・食品産業
  技術総合研究機構で水耕栽培や有機溶液栽培の開発に従事
  されています。

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篠原さんからは、
・日本の石油に頼りすぎている農業の現状
・食糧資源インフレになっていく中で日本人の食糧は
 輸入し続けられるのか
・農業人口300万人しかいない日本で安定して食糧が
 維持できるのか
・TPPは基礎食糧を暴落させて、商品作物へシフトさせる
・耕作放棄対策のために大規模農家による荘園化が進む
・女性の視点にイノベーションの芽がある
などについて解説していただき、
生きるための農...の前に、世界の中の日本の農業がいかに
危い状況にあるかが、篠原さんの熱い語りから伝わりました。

その後の質問コーナーでも、
・具体的に日本の農業は、どのくらいの人の胃袋を満たせるか
・赤字の農業に光はあるのか、生業に成り得るのか
・化学肥料の危さや、種の自家採取のメリット
など、とても切実で熱心な質問が出ました。

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●レクチャ 「食と農について」 駒宮さん
・自分の体が何でできているか
・生産と消費する農家が減って、食と農が分離して
 いることでいろんな問題がでてくる
・補助金頼りの儲からない農業の現状
・高齢化による農業の崩壊
など、駒宮さん自身の農の話題や、恵那市の状況など
を交えて、具体的でわかりやすく講義して頂きました。

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●グループワーク
 ここからは、農ある暮らしを直接見て・聞いて・感じる講座。
 8グループに分かれ、旭地区の農家や、農園を訪ねて、
 食と農についてお話しを伺ったり、農地や納屋、農機具、
 保存食などを見学し、農にどのように向き合っているか、
 儲からない農を何故やっているかを感じ取りました。

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 それを、グループでまとめて書き出し、発表しました。
 農家からは、 戦後の頃と今の農や食の移り変わりをお聞きし、
 儲けようと思っていないけど農地を守って、
 自分で食べるくらいは自分で作るというお気持ちを感じ、
 先祖から子ども・孫への長い時間のつながりを感じました。
 農園からは、有機栽培で美味しい野菜を作り、農業を楽しみ、
 農業の良さを伝えていきたいという想いをお聞きしました。

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●レクチャ 「農の世界/生きるということ」澁澤さん
 最後に、二日間のまとめとして澁澤さん自身がどのように
 農業と携わってきたかのお話しを元に、"土地がありコメが
 できることは、自然も土地も全部含めて生かせてもらって
 いるということ。それによって感謝が出て来るという
 リアリティが絶対的な幸せ感である。そんな気もちで農
 というものが営まれている"ということをお話し頂きました。

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二日間の「食と農」で塾生からは、
・産業としての農と生きるための農という話が頭にすーっと入ってきた。
・自分でも農をやってみようと思った。
・命の繋がる食が世界では政治的に使われていることを知り
 ショックだった。
・生きていく以上、人は一度は農を体験して知るべきだと感じた。
・食と農の分離が身体性の崩壊に繋がるという悪循環の中にいる
 ことを改めて感じた。
・生産→消費の間で顔の見える関係になり、
 地域の人やグループの人で協力して作り、
 消費することができる形が大事だと感じた。
 その生き方が人の満足感や幸せに繋がっていると感じた。
・生きるリアリティのベースに食と農があり、それがそのまま
 幸せの形として表現されると感じた。
という感想が寄せられました。

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塾生がそれぞれの想いで、"生きるための農"を感じ取ることができたようです。
その日の晩ご飯の食材を改めてマジマジと見た人も多かったとか...

講座も3回目を終えて、塾生同士もかなり打ち解け合って
いい雰囲気になってきました♪

来月は、また地元のお年寄りを訪ねて聞き書き」実習を行う予定です。




講座の様子は下記のトヨタグローバルニュースルームからも動画で見ることができます。

トヨタグローバルニュースルームへのリンク




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